工場などの施設で、継続的に水を冷やすために用いられる設備がチラーです。ここでは、工場へのチラー導入を考えている人に向けて、冷水チラーの概要と選定について見ていきましょう。
チラーとは、水を継続的に冷やすための設備です。設備内に水を循環させながら継続的に冷水を供給できるのが特徴で、レーザ加工機や高周波加熱装置などといった高熱を発する機器や、整形した部材を一定の温度に冷ます用途に用いられます。
一般的なチラーを構成しているのは冷凍回路部分のみなので、機能を発揮するためにはチラー本体とは別に水槽やポンプの選定・調達、制御システムの設計・制作が必要になります。
地下水にて冷却を行っていると、温度差によって結露が発生する可能性もあります。結露が発生すれば、溶接機のトラブル・故障の要因になることもあるので注意が必要です。チラーを活用することで、安定した水温となり、結露なく冷却できるでしょう。
ラジエータは周囲の空気の力を活用して冷却するので、夏場だと温度が極端に上昇することもあるでしょう。その結果、溶接品質・電極チップなどの備品の寿命が短くなることも。チラーを活用すれば暑い夏場であっても温度を安定でき、電極チップのドレッサー頻度の改善だけでなく、備品の寿命も長くなるでしょう。
クーリングタワーにて冷却していると、水質の悪化で電極の内部が汚れてしまい、溶接機の性能を低下させることも。チラーを活用すれば、冷却は密閉された回路で実施されるので水質の悪化を防ぐことができるでしょう。さらに装置の同期運転もできるので、使用するたびにバブル操作をする必要もありません。
水道を流し続ける冷却方法であれば、水道代などのランニングコストが高くなるという問題もあるでしょう。チラーを設けることで、ランニングコストの削減につながります。
チラーはその仕組みによって、水冷式と空冷式に大別されます。水冷式のチラーは冷やした水を循環させることで温度を下げる仕組みです。一般的に空冷式よりも水冷式のほうが効率的に対象を冷やすことができるほか、冷却水には水道水を始め軟水、不凍液、エタノールなどさまざまな液体が用いられています。
また、水冷式のチラーの一種として「ブラインチラー」と呼ばれるものがあります。これは、氷点下の液体を循環させて対象を冷やすタイプのチラーで、水道水などを用いる一般的なチラーよりも強力な冷却効果が得られるのが特徴です。
ただし、ブラインチラーに用いられる「ブライン液」は、エタノール液や化学物質など取り扱いの難しい液体であることも増えてきているので、強力と言っても必ずしもすべてのケースでブラインチラーを用いることが適切とはいえません。
冷水式のチラーは冷水を流すための配管が必要なので、使用には配管工事が必要です。その反面、空冷式と異なり排熱がないので屋内で使用できるというメリットがあります。
冷水式のチラーに用いられる循環水の種類はさまざまで、その温度も循環水の種類によって異なります。循環水の温度は、チラーの冷却対象となる装置や作業である「ワーク」の最適温度から求めるといいでしょう。
循環水の温度が決まったら、次は冷却方式と設置場所です。チラーの冷却方式は空冷式と水冷式のふたつ。空冷式は冷却水が必要ありませんが排熱が発生する、水冷式は排熱が発生しない代わりに循環液を冷やすための冷却液が必要になります。設置環境によって適切な方式を選びましょう。基本的に、屋外なら空冷式、屋内なら水冷式となるでしょう。
チラーの冷却能力は、ワークの温度変化や循環水の流量・温度差などから算出されます。
周辺の環境や排熱などを考慮すれば、「空冷式チラー」や「水冷式チラー」の2つから選ぶのが良いでしょう。しかし一番重要なポイントは、どのような用途で、どんな商品をどのくらいまで冷却する必要があるのかを検討することです。たとえば一般的な冷蔵庫などでも対応可能な範囲まで冷却したい、保冷程度の用途を希望しているのであれば、高性能なチラーを保有する必要はありません。一方で高い冷却性能を求める場合には、氷点下にも対応できるようなチラーを導入した方が良いでしょう。
つまり求める機能などを踏まえて、チラーを選ぶことが重要です。もし求める機能が備わっていなければ、満足できる結果が得られずに後悔することもあるでしょう。
配管の状態によっては、ポンプが必要になることもあります。ポンプの能力は、配管長 配管の長さ、配管径 配管の太さ、継手によって決定されます。
数百万円~数千万円ほどで一般的なチラーを導入できるでしょう。食品冷却用で業務用のチラーであれば、数百万円ほどで購入できます。もし導入コストを抑えたい場合は、中古のチラーを検討するのも一つの方法です。ただ、半導体製造などの分野であれば、大規模なチラーを必要とするケースも。そうなれば冷却システム自体を構築する必要もあり、コストは割高になってしまうでしょう。
省エネ性能が一定の基準をクリアしたチラーであれば、省エネ推進などに関わる助成金・補助金などを活用できる可能性もあります。これらの助成金・補助金などの制度を活用できれば2割~5割ほどの費用を助成金・補助金として受け取れるでしょう。半導体などの分野だけでなく、飲食業でも活用できるケースもあるため、業務用冷蔵庫・業務用冷凍庫を導入する際には一度利用できる補助制度がないか確認してください。
チラーの企画・施工・設計まで幅広く対応できる会社です。様々な性能を持つ多種多様なメーカーを取り扱っており、要望に適したチラーを提案してくれるでしょう。また状況に応じてチラーをオーダーメイドすることも可能で、既製品に比べるとコストは高くなってしまいますが、要望にあった機能や性能が得られるため作業効率アップにもつながります。さらに独自の構造かつ自由度の高さが魅力の「冷水革命 OMAチラー」も提供。このチラーであればIoTメンテナンスにも対応できます。
OMAチラーは、0度に近い冷水を供給できるチラーです。最低出口水温は0.5℃~1度。熱交換部分と外板部はオールステンレスなので、衛生性・メンテナンス性にも優れています。構造がシンプルなので、万が一トラブルが起きてもメンテナンスを容易にできます。
ワンパスで約20度の温度差を得られる点も、OMAチラーのメリットでしょう。垂直に取り付けた冷却プレートの両面に流下させると、1回の通過で最大20℃から0.5℃まで冷却可能です。
チラー本体と水槽・ポンプの送水設備をはじめ、制御系が全てユニット化されたチラーを取り扱っています。水槽がないタイプのユニットクーラーもラインナップしているので、幅広い用途や使用方法にも対応できるでしょう。ユニット化されたチラーを導入することで、導入のコスト削減や省スペースなどのメリットも期待できます。修理・点検・メンテナンスにも対応しているため、導入だけでなく、末永くサポートをし続けてくれる会社と言えるでしょう。
RKE-Bシリーズは、大型水槽付DCインバータチラーです。性能にこだわって開発されており、業界トップクラスの省エネ性能を実現しています。夏は50℃まで耐えられる条件使用で作られているので、熱がこもりやすい現場でもパフォーマンスを発揮できます。寒さは-20℃まで耐えることが可能です。使用温度範囲は、3℃~35℃とワイド化しています。
冷凍機・ファン・ポンプにはインバータが搭載されているので、無駄なく効率的に稼働します。
ノンフロン冷媒採用・屋外設置可能・省エネタイプ・ワイドレンジ-10度から80度まで対応など様々なタイプのチラーをラインナップしています。導入へのサポートも行っており、導入にあたって機種などの選定も全て任せられるため余計な手間もかかりません。また海外サポートもあるので、工場などチラーを海外に導入したい場合にも相談しやすいでしょう。国内だけでなく、アメリカやタイ、ベトナム、インド、中国などにも海外拠点を展開しています。
IOFセンシングが搭載された、高精度・高速反応可能なチラーです。入口温度、出口温度、流量の3つを、IFOセンシングによって常時計測します。そのため、生産工程で発生する不可変動を、迅速かつ正確に把握し、循環水の温度をすぐに安定させます。環境・負荷が安定しているときであれば、±0.1℃の高精度を実現しています。メインフレームにはダブルタンク構造が採用されているので、耐久性にも優れています。国内外問わず、長距離輸送にも対応可能です。
日立グループでは業務用空調機器・低温機器・環境試験装置・空調ソリューションなど幅広い製品を取り揃えている会社です。空冷・水冷の両方の製品を用意しているので、さまざまなニーズにも対応してくれるでしょう。チラーを提供した後も保守サービス・整備サービスを活用することも可能。定期的にメンテナンスを行うことで、製品を長く使えるだけでなく、突発的なトラブル防止にもつながります。機器の単品から設備全般の整備まで予防保全を図ってくれるでしょう。
水温精度を向上させるため、インバータ圧縮機が搭載されています。インバータ制御によって、冷水出口水温の水温精度を向上します。省エネ性能にも優れており、負荷が低いときには性能が向上するため、年間の消費電力量の削減にも役立つでしょう。台数生後機能があり、負荷に見合った台数で運転します。制御機能が標準装備されているので、第数位制御専用コントローラーは必要ありません。1グループで最大8モジュールまで制御可能です。
チラーの企画設計・製造販売・OEM提供まで応じている会社です。「超純水高速温調チラー」「ハイレスポンスチラー」「イマジネーションコントロールチラー」「ジャケットタンク&チラー」「小型卓上空冷チラー」「チョイスチラー」など多様な製品を用意しています。チラーを専門にしているからこそ、豊富な商品の中から要望に応じたチラーを提案・提供してくれるでしょう。用途を問うことなく、高品質のチラーなど要望にあった製造も可能です。
最大±0.03℃の温度安定度を実現した、小型卓上冷水チラーです。さまざまな仕様にカスタマイズができ、設備に合わせてポンプの変更が可能です。オプションを選択すれば、純度コントローラーの搭載、低騒音脈動軽減ポンプへの変更ができます。両電源仕様は100Vまたは200Vで選択可能です。
冷凍機熱を利用した完全省エネ加熱機能を搭載しており、省エネ性能にも優れています。
食品業界に長きにわたって関わり続けた会社のノウハウを活かして、冷却・チラーを活用した食品冷却プランを提案してくれます。一人一人のニーズをヒアリングし、製品開発やカスタマイズの提案も実施。設計・施工・製造に至るまで一貫対応が可能なため、要望に沿った製品を提供してくれるでしょう。さらに24時間体制で故障・修理の受付に対応。日立グローバルライフソリューションズ株式会社とサービス委託契約も交わしているので、何かあったときも迅速にサポートできる体制を構築しています。
リドニークチラーは、24時間連続で1℃度台の冷水を供給できる冷水チラーです。熱交換器内のつまりに強く、安定して冷水を供給します。ラインナップが豊富で、幅広い熱負荷に応じて用意されています。熱交はつまりや故障に強い交換機が搭載されており、凍結防止制御も搭載されているので、故障のリスクを軽減できます。オプションとして、遠隔操作盤、クッションタンク、冷水循環ポンプ、その他各種制御機器が用意されています。
ホシザキは各種業務用厨房機器の開発・製造を行う会社です。主要製品は、業務用冷凍冷蔵庫や業務用食器洗浄機、全自動製氷機、ビールディスペンサーなどとなっています。主要製品は国内で高いシェアを占めるだけでなく、世界でもトップレベルのシェアを占めています。モノづくりにこだわりながら、販売・サービスにも力を入れています。ホシザキでは、製品の点検や災害時の対応など、サポート体制も充実しており、全国に拠点を展開しているので、対応も迅速でスムーズです。
ホシザキが開発・製造しているインバータ冷水チラーです。インバータが搭載されているため、能力を5段階に調整できます。季節に合わせて能力を調節できるので、より効率的に活用できるでしょう。夏は能力を上げて使う、冬は運転をセーブして節水するといった使い方ができます。
CWS-25AIは、飲料水・給水・機械設備の冷却・飲食店・スーパー・工場など、幅広い用途や場所で利用できるチラーです。操作はリモートスイッチ式になっており、運転状況は手元ですぐに確認できます。
ここが唯一無二!
ここが唯一無二!
ここが唯一無二!
※選定基準:2022年1⽉26日Googleで「チラー」と検索し、上位3ページ以内に公式サイトが出てきた会社の製品を調査。
同時点で、弊社で行った調査により、ユーザーニーズに即しているその会社しか持っていない特徴を「唯⼀無⼆の特徴」として選出し、紹介しています。
※最大20℃の熱交換が可能:2022年4月弊社調査時点。参照元 大洋アレスコ公式サイト(https://taiyoalesco.jp/service/oma-chiller/)
各社の唯一無二の根拠
大洋アレスコ:「性能面」ワンパスと明記してあるチラーの中で冷水温度(出口温度)が最も低いという点が唯一無二
三浦工業:「サポート面」1,000名以上のフィールドエンジニアがサポート可能な点が唯一無二
第一工業:「環境面」製品だけでなくその環境設備もアドバイス可能と記載のある点が唯一無二